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「普通」や「常識」に縛られず、
信念を持って生きるみなかみ人。
ちょっと変、実は、めちゃくちゃスゴイ!
個性あふれる「偉人変人」たちのホンネに迫ります。
自伐型林業で森のアップサイクル。「自分の学校の香り」を子供たちと作る
森のアロマオイル生産者
長壁 総一郎
さん
長壁 早也花
さん
自伐型林業で森のアップサイクル。「自分の学校の香り」を子供たちと作る
森のアロマオイル生産者
長壁 総一郎
さん
長壁 早也花
さん
私たち夫婦がみなかみに移住してきたのは、2020年4月。それまでは二人とも海外青年協力隊に入って、それぞれラオスと東ティモールで国際貢献活動に従事していました。
私たちがやりたいのは「地域の資源から新たな価値を生み出し、今ここにある自然の素晴らしさを再認識してもらう」こと。それって海外じゃなくてもできることかもと思い始めた時、偶然、知り合いの故郷だったみなかみを訪れたら、とにかく自然環境が素晴らしかった。そして何よりも住んでいる人が温かい。こんな場所で人生を過ごせたらすごく幸せだなって思って。
今、私たちはみなかみ町に自宅兼蒸留所を作って、町内の森を間伐する際に切り落とされた枝葉から天然のアロマオイルを作っています。スギやヒノキ、マツなど原材料の違いはもちろん、同じ種類の木でも育った環境によって精油の香りは全く違ってくるんですよ。つまり、この豊かな森の恵みから、みなかみオリジナルの香りができる。みなかみを旅した人、あるいは離れてしまった地元出身の人が、この地で採れた香りを嗅ぐたびに思い出が蘇る、そんな「町と人がつながる」オイルを作りたいと思っています。
今、新しい試みとして、子供たち向けに精油作りを体験してもらうプログラムを提供しています。先日は地元の小学校の生徒たちに、学校にある自然素材を集めてきて「自分の学校の香り」を作ってもらいました。それほど多くの素材は集められないだろうと思っていたけど、「敷地内にこんな実がなっていたんだ!」と大人では気づかないものを集めてきてくれました。子供たちの発想ってほんとすごいです。
今まで見落としていたものが、新しい価値に生まれ変わる。そんな香り作りの体験を通して、「目に見えないものにも発見がたくさんある!!」「視点を変えれば、違った活かし方が見えてくる!!」と面白がってもらえたらいいですね。
地域とともに生きていく
7代目農家 / 「温泉農家民宿はしば」経営
田村 和寿
さん
地域とともに生きていく
7代目農家 / 「温泉農家民宿はしば」経営
田村 和寿
さん
長男は家を継ぐ。当時はあたり前の価値観でした。
私は江戸時代末期から続く農家の7代目長男として、ここで生まれ育ち、稼業を継いでいます。
今は個人のやりたいことを尊重する時代。家を離れこの地域を出る若者が増えているため、後継者不足・高齢化の問題が深刻化しています。
人がいない、仕事がない、スーパーもない。増えるのは休耕地と空き家ばかり。これが地方の現状です。
でも、ないものばかりを嘆いていても仕方がない。発想とアイデアで何とか地域を盛りあげたいと、「やる!」と決め、動き出したことがあるんです。
子供の頃は、そもそもスーパーなんてなかった。食材はほとんど自分たちの手で作っていたんですよね。私の家は養蚕農家で家の中に馬がいて、外には鶏・山羊・ウサギもいました。その頃は、たまご、山羊の乳、米、味噌、たくあんなどは自家製。薪を燃料にして料理やお風呂、暖房にしていました。今で言う「持続可能な循環型社会」だったと思います。
何でも買えば手に入る現代ですが、「消費から循環へ」という価値観の変容も確かにあると感じています。この時流を捉え、地域活性のため60歳にして新たな事業をスタートしました。
ここには、豊富な温泉が湧き出ているし、かつては三国街道の宿場町として人やモノの往来で発展した歴史があります。
このように、もともとある資源を活用し、農業と観光をミックスした滞在型の体験宿泊施設や農業未経験者の就農をサポートする仕組み作り、温泉熱や太陽光発電などで地球環境負荷を抑えた農業にも、挑戦しています。
温泉を使って何かできる!この地域を活性化したい!!
すべては、地域とともに暮らし続けるために。
半世紀以上、夫婦で作り続けた木製カスタネット
。
ローカルを極めたら
、
グローバルから注目!
カスタネット職人
冨澤 健一
さん
半世紀以上、夫婦で作り続けた木製カスタネット
。
ローカルを極めたら
、
グローバルから注目!
カスタネット職人
冨澤 健一
さん
子供の頃、カスタネットをたたいたことがあると思います。赤と青で塗られた、あのコロンと丸い形の打楽器は、実はみなかみで初めて作られ、日本中に出荷されていたんですよ。
終戦後、東京のある音楽教師から「教育用のリズム楽器を作って欲しい」と頼まれたのが私の父でした。見本にしたのは、「ミハルス」っていう四角い板を蝶つがいで繋いだ楽器。それを子供の手に収まりやすいあの丸い形にしたのは、父がこけしやお盆など「丸い」土産物を作る木工職人だったからだろうね。
1960年頃、全国の小学校にカスタネットが採用されてからは、猛烈に忙しくなりました。うちの工場を含めて周辺の4工場だけで全国向けの生産を担っていたからね。
私も10歳から家業を手伝い始め、以来、半世紀以上、夫婦二人三脚で作り続けてきました。しかし、原材料となる良質の国産ブナ材が入手困難になったことで2013年に生産を終了。やっと二人でゆっくりできると思っていた矢先、町の「赤谷(あかや)プロジェクト」のために「どうしても!」と頼まれ、半年後には全く違うスタイルで復活することに…。
それは、塗装をしない無垢仕上げの「森のカスタネット」。いろんな種類の木材で作るから、素材そのものの音色や手触りの違いが楽しめると、木育(もくいく)にも活用されています。
この「森のカスタネット」は、みなかみ町にある“赤谷(あかや)の森”の間伐材を使っているんだけど、木が細かったり、若かったり、必ずしも木製カスタネット作りに最適とはいえない。うまくいかないこともあり、かえって手間ひまがかかる。だからこそ、木の特徴を見極めながらひとつひとつ手作りしているよ。
「赤谷(あかや)プロジェクト」とは自然環境保全の取り組みのこと。そのひとつにこの区域に昔から生息している絶滅危惧種”イヌワシ”の狩場を守る活動があって、間伐材はこの計画的な森林伐採によるもの。
こうして長年、木製のカスタネットを作り続けていたら、「SDGsにふさわしいノベルティグッズとして使いたい」と、海外の有名ブランドや、国内の遊園地、セレクトショップから「森のカスタネット」の注文が入るようになって驚いているよ。木製カスタネットもイヌワシ保護の活動も、持続可能性を高めるものとして注目されているのかもしれないね。
ただ、この仕事では食べていけないから、残念ながら後継ぎはいないんだよね。